2014年8月15日、福島の故郷で祖母と母と過ごしました。
第二次世界大戦は祖母の幼少期。貧困と混沌の中生き抜いてきた祖母は80歳を越え、最近では人生観も180度変わっていました。
今日、一年ぶりに祖母と会い、その変わりように涙しました。
私は、幼稚園から高校まで福島の祖母の実家で育ちました。
それまでは、東京と埼玉で暮らしていましたが、祖父(私の母の父)が病気になって、母が呼び戻されたため、福島に引っ越したのです。
当時の祖母は、
貯蓄の鬼
長生きの鬼
と言えるくらいお金と命に執着していました。
「お年玉は全額貯金しろ」
「無駄遣いするな!欲しいものじゃなく必要なものだけ買え」
「全部、現金一括購入だ」
「死にたくない」
「薬がないと不安だ」
そんなことばかり言ってるような人で、これも戦争の跡なのかと思ったりもしました。
しかしながら、彼女の価値観の影響はかなり大きいもので、私の人生に良くも悪くもインパクトを与えてくれました。
今日までそれをひきづり続け、時には感謝し、時には恨み、自分なりに新しい時代を築く一人としてもがいてきた中…2014年8月15日の今日、
「もう、いつ死んでもいい」
「欲しいものはもうある」
「お金は十分あるから、貯めずにみんなに使うんだ」
そんな言葉をいきなり聞きました。
号泣……
言われた瞬間に目頭が熱くなり、我慢しようにも我慢できずにこぼれ落ちる涙。
なぜ私は泣いているのか。
なぜこんなに泣けるのか。
頭の理解が追いつかなくて、でも心の固い部分が瞬間解凍されて、祖母の大きな変化を肌で感じ取りました。
これからの時代は彼女たちの世代ではなく、私たちが創り上げていくのです。
彼女たちの時代の価値観を否定し続けるでもなく、自分たちの今の価値観を捨てるわけでもなく、どっちもある中で自然に選択されていく感覚。
これを得られたことは、非常に重要なギフトでした。
今まであんなに祖母のせいにしてきたのに、たくさん苦しんでもきたのに…こうもあっさり解決させられてしまいました。
今はただ、ありがたい。
こらから、私(たち)はどうしていくのか。
私の使命が少しずつ近づいてきている気がします。
私個人も、20年続いた心の終戦を迎えました。